こんにちは!塾長の青島です。
本日は和歌山県立医科大学の化学を取り上げます。
記述論述が多く、また2021年度以降、理科2科目で150分とかなり理科のウェイトが大きい大学になっています。数学に比べて理科は勉強すればするほど伸びやすい科目ですから、着実に勉強をしていれば勝負できる大学になってくるでしょう。
問題はこちらです。

解答
固液平衡において圧力を加えるとルシャトリエの原理により圧力を減少させようと体積を小さくする方向へ平衡が移動する。水の固体、すなわち氷は水素結合の方向性によりすき間の多い構造をしており、液体に比べて同質量あたりの体積が大きい。よって等温において圧力を加えると体積の小さい液体へと変化するため、これに伴い液体の水は低い温度でなければ凝固しなくなる。純物質では凝固点と融点は等しいため、圧力の上昇に伴って水は融点が下がる。一方二酸化炭素は同質量であれば固体の体積の方が小さいために、圧力を加えると固体へ変化するため、水とは逆に融点が上がることになる。(272)
250字程度ということでかなり長い記述になります。実際には文字指定はありませんが、その場合は回答欄の大きさから臨機応変に判断することが必要になります。
さて、問題文をよく読むと「ルシャトリエの原理を用いて」とあります。新研究によればルシャトリエの原理は「可逆反応が平衡状態にあるとき、外部から平衡を支配する条件(温度,圧力,濃度) を変えると、その影響を緩和する方向へ平衡が移動し,新しい平衡状態となる。」とあり、今回に関しては固体-液体の平衡状態、圧力の変化にともなう平衡移動を考えることになります。
次に考えるべきことは水と二酸化炭素の対比と「水の特殊性」です。この問題は比較的有名で、水は氷になると体積が大きくなるのは日常生活でも経験があるかもしれません。あるいは新研究をよく参照している人であれば下の図を見たことがあるかもしれません。

0度においてこのように氷に圧力をかけると、「糸は氷を切断することな く,上端から下端へとゆっくり通り抜けていく」現象が観察されます。これは糸の下方では氷が融けて糸が食い込む一方で糸の上方では圧力がなくなることで再び凝固がおこるからです。これはアイススケートで滑ることのできる理由(刃の当たるところは氷が溶けるために摩擦力が低下して滑ることができるが、刃の当たっていないリンク全体の氷は外気温により溶けない)と同じです。
またその理由としては氷の結晶が水素結合の方向性によるすき間の多い構造をとるということを下の図から思い出せると良いでしょう。

こういった氷の性質は特殊であり「水(氷)の特殊性」として確実に把握しておく必要があります。そのためには図を見たら説明ができるくらいまで新研究を日常的に参照しておくことが対策になります。
解答は、これらを説明していくことになりますが、記述の採点はポイント性が取られていますから、ご自身の解答と以下のポイントを照らして自己採点してみてください。12点満点で合格点は8点です。
「固液平衡において」…1点
「ルシャトリエの原理により体積を小さくする方向へ平衡が移動」…2点
「氷はすき間の多い構造」…1点
「水素結合の方向性」…1点
「水の固体は同質量あたりの体積が大きい」…2点
「圧力を加えると体積の小さい液体へと変化」…1点
「圧力の上昇に伴って水は融点が下がる」…1点
「二酸化炭素は同質量であれば固体の体積の方が小さい」…2点
「圧力を加えると固体へ変化するため融点が上がる」…1点
いかがだったでしょうか。繰り返しになりますがこういう記述に対応するには参考書を参照しながら事実の背後にある理由を説明できるように準備しておく必要があります。
現役生で「ぎりぎり全範囲の知識が身についた」という段階ではなかなか厳しいかもしれませんが、例えばセミナーや重要問題集を解く段階から解説の補足に目を通したり調べたりしながら問題を解いていけば着実に力はついていきます。
数学に比べると英語と同じく時間をかけて学べば学ぶほど化学や生物の得点力は上がっていきますから、理科で安定感さえ出てくれば国公立医学部受験の二次試験は有利になっていくでしょう。頑張ってください!

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